ネカフェ泊の日々、体力面では全く問題ないのですがベッドに寝転がりたい欲求が日に日に膨れ上がり、岡山と鳥取ではついに格安ビジホに泊まりました。みんなビジホ馬鹿にしてるだろ……、あれめっちゃすごいんだぞ、ネカフェの10倍快適。
2022.02.26【岡山-鳥取】
スケジュール
出発 09:17
到着 20:01
総移動距離 200km
日記
奥津温泉
今回は時間の都合上、温泉には立ち寄らず道の駅で昼食だけとりました。
道の駅の食堂ではバイキングランチが楽しめます。旬の野菜を使ったおかずがずらりと並んでいてどれにしようか迷いましたが、いやしんぼなので全種食べました。家庭の味を思わせる煮付け系の料理が多くてほっこりしました。
人形峠
奥津温泉から少し北上したところにある人形峠はかつてウラン鉱床があった場所として有名です。日本国内の旧ウラン鉱床は2ヶ所。ここ人形峠と岐阜県にある東濃鉱床です。いずれも採算が合わず1980年代ごろに採掘が終了しています。
人形峠の道中にはアトムサイエンス館という岡山県運営、入館無料の科学館もあります。しかし峠道が積雪で走行不能だったため、大人しく融雪剤がまかれた国道へ戻りました。かなり行きたかったので悔しい。この流れ何回目ですかね。ぜんぶ雪のせいだ。
余談ですが人形峠は心霊スポットでもあるとか。真相はまた今度検証しましょう。
鳥取砂丘
到着時刻が夕方だったのでラクダに乗ったりパラグライダーを体験したりというアクティビティ系は全部終了していました。観光客もまばら、寂寥感ある砂の大地をのんびりお散歩。砂丘には雪が半分くらい残っていました。3cmの厚底ライディングブーツがすっぽり埋まります。
ノーマルタイプと冬バージョンの砂丘を同時に楽しめるので2月後半は砂丘観光にいい時期かもしれません。
砂丘の地面をよく見ると規則的な模様を描いている場所があります。
例えば下の写真。少しわかりにくいですが、夜更かしばかりでニキビだらけになった顔面のようなボコボコとした模様があるのが見えますでしょうか。
こりゃなんぞ?と調べてみると「砂柱」と呼ばれるものらしいです。知ってる、砂の呼吸ね。
降雨の後に風速12m以上の強風が吹くと形成される地形で、砂丘における冬の風物詩なんだそう。シルトと呼ばれる、砂粒よりも小さくて粘土よりも大きな岩屑が、降雨の際砂丘表面に硬い薄層を形成し、これが風の抵抗となって周囲の砂が飛ばされてもこの部分だけ柱のように残ってボコボコした地形が出来上がるのです。
他にも早朝であれば風紋と呼ばれる波状の縞模様が見られたり、降雨後の斜面であれば砂簾と呼ばれる砂が滑り落ちた形跡が見れたり、場所や時間や季節によって色々な姿を見せるようです。
炉端かば(鳥取駅前店)
砂丘を去り、夕飯を求めて鳥取駅周辺を散策します。鳥取はまんぼう対象外なので夜も時間を気にせず出歩けます。
夜の鳥取駅周辺は悲しいほど静か。お店はあるにはあるけど近似したら0。そっか、まん防対象外ってそういう……
そんな中見つけたお店が炉端かばという居酒屋。お一人様歓迎、日本海の新鮮な魚介という文字につられました。山陰を中心に展開されているチェーン店です。
お刺身は宣伝文句になっているだけあってとても美味しかったです。
店員さんの接客も細やかで居心地が良く、一人ひっそりと楽しくなってしまいました。知らない街でいい店に巡り合い、上機嫌で心中スキップしながらホテルまで帰る一人旅もまたをかし。
2022.02.27【鳥取-京都】
スケジュール
出発 10:07
到着 17:58
総移動距離 220.6km
日記
旅の終わりは唐突に
まずは昨晩の鳥取駅前をご覧ください。
路肩という概念がない。日本海側の冬を甘く見てました。こんなに積もってるのは今年だけかな?と思っていると「いや毎年これくらい普通よ」と駐輪場スタッフのおっちゃん。
市街地を歩くと当然のように雪かきが行われていて異国かと思いました。皆さん無心で雪を払ってます。日本海側の人たち、なんでここに定住できるんですか?
鳥取県内ですれ違ったバイクの数はスクーターを含めても片手におさまるほど。それくらい危険でみんな乗りたがらないようです。スリップ怖いもんね。私も先日のスタック事件のせいで白を見るとアルバート坊やよろしく無意識に身体がこわばるようになってしまいました。本当は鳥取から兵庫にかけての海岸沿いをのんびり走り、もう一泊して帰ろうと計画していたのですが、急遽予定を変更して最安全・最短ルートで帰京することを決意。何事も終わりは突然です。
帰り道
安全第一をモットーに融雪剤ゴリゴリの国道9号をひたすら走るのみです。
ところで融雪剤って何からできているかご存知ですか。私はこれまで雪と無縁の土地で生きてしましたのでお恥ずかしながら全く知りませんでした。
融雪剤の主成分は塩。凝固点降下によって凍結を防止しているそうです。ちょっと走るだけでもヘルメットや車体が塩まみれになります。ブンブン1号の塩漬けが完成しちゃう……。
グローブをはめて手の甲にカイロを仕込んでいるとはいえ指先が無防備すぎてほとんど動きません。
鼻水を垂らしながら鳥取から兵庫にかけての極寒の山を越え、京都の福知山市に突入。この辺りから流れが急に変わり、温度が急上昇、春の息吹を感じます。まさか京都が一番あったかいとは。今まで京都の冬はクソとか酷いことばっか言ってごめんな……。
福知山市のドライブインやくので休憩。丹波黒豆を使った定食が美味しかったです。
暖かさの代償として渋滞に巻き込まれてしまいましたが割と早めの時間にゴールしました。7日間の旅の終幕です。
全旅程総括
総移動距離 1430.3km(うち、フェリー約130km)
はじめての長距離一人旅、兎にも角にも事故と怪我が0で本当に良かったです。
バイク旅の素晴らしい点は挙げたらキリがありませんが、特にすごいのは移動費が安すぎることだとつくづく思います。まあまあ燃費の悪い私のバイクでさえも7日間9府県回ってガソリン代が総額1万円いってません。お手軽ハッピー道具です。そりゃ文無し大学生たちコレでいろんなところに行きたくなるわな。
初期費用 維持費修理費 車検代 なんですかそれ 知らないですね
by ハッピーバイク布教家
おまけ:年上はとりあえず労わっとけ
融雪剤のせいでブンブン1号のお肌が粉を吹き、完全に荒れ果ててしまいました。サビの原因になるのでなるべく早めに洗車しなければなりません。
というわけで帰って早々洗車です。長旅の苦労をいたわってゴールデンレトリバーよろしくワシャシャシャシャと撫でまわします。
次の長旅は夏の予定。
友人と都合が合えば北海道を一周したいのですが無理なら一人で東北とか行きたいです。次もブンブン1号と一緒に回りたいのでご老体は丁重に扱わねば。家に帰ってメンテするまでがバイク旅です。