ひろみバイクライフ

バイクに乗ってブンブン言わせます

2022.02.11_周山街道

流れる季節の真ん中でふと日の長さを感じる気候になってまいりました。無事に卒業論文を提出し、あとは旅立ちの日を待つばかりの穏やかな2月を過ごしています。春という季節は賑やかで寂しくて1年の中で一番苦手です。

そんな折、故郷の母から手紙が届きました。

卒業論文お疲れ様です。元気にしてますか。たまにはこちらに顔を出してください。あと、バイクにだけは乗らんといてくださいよ。怪我をしないか、心配で心配でたまりません。少しばかりですがお金も添えています。卒業祝いに好きなもの食べてください。 かしこ」

前回帰省したときに見た母の姿がまぶたの裏に浮かびます。元々細かったのにさらに痩せこけた母。年のせいで体にガタがきて少しずつ働けなくなりつつある母。家計が苦しいだろうに、娘のためとどうにかこの一枚のお札を捻出したのでしょう。母の愛に涙しつつ、手紙をたたみ、お金を財布に放り込んで地図をひろげます。

やったね、この金でバイク乗って遊べるぜ。私、冬の周山街道を走りたいわ。

スケジュール

2022年2月11日(金)
出発 11:06
帰宅 16:16

ルート

目的地:カモノセキャビン

goo.gl

〈往路〉京都市街地〜国道162号(周山街道)〜カモノセキャビン
〈復路〉往路と同経路

日記

周山街道(京都市街地〜道の駅ウッディー京北)

周山街道を走るのは実ははじめてではありません。ブンブン1号を手に入れたばかりの昨年5月某日、渓流を眼下に青々とした木々の中を初心者丸出しでフラフラくぐり抜けたことがあります。その際美山まで北上しようと意気込んでいたのですが、道中のトンネルの長さ・暗さ・孤独、そして立ち寄ろうとした道の駅ウッディー京北の臨時休業(緊急事態宣言のため)に心を折られ、Uターンして帰ってしまいました。

今回はそのリベンジです。

周山街道は京都方面からの玄関口たる御経坂峠が苦手。ヘアピンカーブと急勾配が連続します。路面の状態もあまり良くありません。標高がお高めなのでアスファルトに染み込んだ水が凍って割れちゃうんでしょうか。北国では補修工事が春の風物詩と小耳に挟みましたが、水が入りにくい、いい塗装材料ってないんですかね。

中川・笠・京北という三つの長いトンネルを抜けると道の駅ウッディー京北が見えてきます。

道の駅ウッディー京北

f:id:hiromi_darklie:20220211201848j:plain

道の駅らしい外観の道の駅です。ここは京都市初の道の駅らしい。
店内は手前がお土産屋さん、奥はお食事処になっています。お土産屋さんの半分くらいが木材製品で埋められているのが印象的です。雑貨、食器、家具、DIY用の大きな板もありました。

京北地域は総面積の93%を森林が占め、平安遷都以来、皇室の直轄地として御所造営の木材を供給していたことから林業が盛んなんだそうです。主に植えられているのはスギ、ヒノキ、マツ。林業を支えるのは60歳以上の高齢者が半数以上でなかなか大変そうな街です。

お土産にベニシタンという木のしおりを購入しました。すべすべした手触りが気持ちいい。

周山街道(道の駅ウッディー京北〜カモノセキャビン)

道の駅を出発してからしばらくは平坦な開けた道が続きます。各所に木材加工場があり、いい香りが漂ってきました。

昼ごはんは美山までの道中にあるログハウスカフェ「カモノセキャビン」にしようと決めたので、目的地までひたすら走ります。

のどかな里山を越え、再び峠に差し掛かったところで景色が一転、銀世界に。

f:id:hiromi_darklie:20220211201856j:plain

f:id:hiromi_darklie:20220211201903j:plain

雪とは縁遠い場所で育ったので道路脇の雪の高さにかなり腰が引けています。

峠の入り口でこれなのでこの先はもっとまずいのでは、と思いつつも路面が乾いていたので突入してみることにしました。カモノセキャビンはここから3分のところにあります。

カモノセキャビン

カモノセキャビンに至るまではまさしく冬の峠道でした。道路脇の雪がどんどん車道にせり出してきて、路中に雪塊が転がっていることも。そして何より寒さで肌が刺されるように痛い。

瀕死の状態でお店に転がり込みました。

f:id:hiromi_darklie:20220211201843j:plain

ドアを開けると暖かい、どころか熱気が漂っています。
気さくなマスターが「今店内31度だから!」と豪快に笑いながら半袖Tシャツ1枚で出迎えてくれました。

暖かさ(暑さ)の理由は薪を燃やした暖炉。

f:id:hiromi_darklie:20220211201824j:plain

店内の中央に据えられた暖炉は手作りらしいです。暖炉が手作りって何。暖炉の燃料・横に積んである木は全部マスターが切ってきたものです。マスターの本業はカフェ経営ではなく林業なんだとか。さすが林業盛んな京北地域。3歩歩けば林業従事者にぶち当たるみたいです。

f:id:hiromi_darklie:20220211201836j:plain

f:id:hiromi_darklie:20220211201831j:plain

カレーセット(並)1000円

ご飯はカレーを注文。家庭の味っぽい甘めのやつ。美味しくてペロリと平らげてしまいました。

f:id:hiromi_darklie:20220211201819j:plain

店内を見渡すと棚には古いバイク雑誌がギチギチに詰まっています。全部お客さんが置いていったものらしいです。来年で40周年を迎えるこのお店は何十年もの付き合いのリピーターさんによって支えられているそう。

f:id:hiromi_darklie:20220211201810j:plain

ペラペラめくっているとバンディット600発売当時の記事を発見。フォントと紙面の構成から時代を感じる……。

体も温まったので美山へ出発、と思ったのですが「この先は危険だから1ヶ月後に出直して来な」とマスターに止められました。ですよね〜。私も怪我はしたくないので大人しく引き返すことにします。

帰路

帰り道は行き道をそのままなぞりました。

美山に到達できなかったのが心残りだったのでもう一度道の駅に立ち寄り、美山牛乳たまごプリンを購入。

f:id:hiromi_darklie:20220212140714j:plain

美山牛乳たまごプリン 290円

卵の風味がめちゃくちゃ強くて美味しかったです。

今回は途中で引き返したので日が高いうちに帰り着きました。総走行距離82.4kmでした。