恋人との記念日を祝う文化というものが世にあります。
やれ1ヶ月だの3ヶ月だの100日だの、よくもまああんなに細かく区切っておめでたいこと……と、JK時代のひろみは浮かれポンチ同級生たちに心中痰を吐いてまわっていました。もう5年以上前のことです。
しかし大学入学後、人と人との関係性を維持することの難しさを実感し始め、この考えを改めるようになりました。心も物も関係性も、何事においても経年変化が世の常です。地元を発つ特急電車でこっそり泣いて別れを惜しんだ実家ですら、悲しいかな、今では積極的に帰る気が起きません。すなわち忘れることは簡単で覚えているのは難しい。
しかし何かきっかけさえあれば思い出すことくらいはできるんじゃないでしょうか。そのトリガーとして記念日をメモしておくことはむしろ褒められた行為ではないかと最近思うようになりました。私も恥ずかしがらずに記念日を公に晒したい、本当はちょっとだけ羨ましいと思わないでもなかったアレを今ここでやらせてほしい。
Happy 1st Anniversary♡Bunbun-1gou
5月8日はブンブン1号の納車記念日。いつもありがとう♡
記念日デートは旧海軍の魚雷庫見に行こうね。
スケジュール
2022年5月8日(日)
出発 10:30
到着 19:07
ルート
〈目的地〉
〈走行ルート〉
日記
①赤れんが博物館
赤れんが博物館は世界各地、各時代のれんがが展示されている旧舞鶴海軍の魚雷庫です。
レンガの積み方はフランス積み。先ほどの外観写真を拡大して見てみよう。
フランス積みとは
一段に煉瓦の長手と小口を交互に積む方式。(Retrieved from http://fukadasoft2.sakura.ne.jp/renga/bricks/index.html)
建物は2階建てです。1階は海外有名建築のれんがが、2階は日本のれんがの歴史が展示されています。
赤いれんが、灰色のれんが、薄いれんが、厚いれんが。文化と時代によって様々な特徴があります。近代以前のれんがは薄くて火の通りの良いものが多いようです。
1階の一部はホフマン窯と呼ばれるれんが焼成窯の内部を再現しています。これから焼かれるレンガの気分になれますよ。
ホフマン窯は楕円形の窯で、内部は全長100m前後のトンネルがドーナツのようにぐるりと一周しています。焼いては取り出しを繰り返す通常の窯と異なり、長いトンネルを数区画にわけ、一つの区画のれんがを焼き終わったら隣の区画を焼き、それが終わったらまた隣……と次から次へと効率よくれんがを焼くことが可能らしいです。
日本に現存するホフマン窯は4基。現在ではすべて稼働を停止しています。
続いて2階に移動。こちらでは日本のれんが史の歩みを見ることができます。
中でも印象深かったのは日本各地の留置所で作られたれんがを展示したスペース。
明治初期、刑務作業のひとつにれんが製造があったようです。先ほど紹介したホフマン窯が日本に初めて導入されたのも東京の留置所。監獄から監獄へとれんが製造技術が伝播し、日本各地に広まっていったとか。れんが史の背景に意外な貢献人がいました。
②北吸トンネル
赤れんが博物館を後にし、徒歩10分弱のところにある北吸トンネルへと向かいます。
北吸トンネルは日露戦争の際、舞鶴の港から海軍施設へと軍需物資や兵員を輸送するために使われた鉄道路線用トンネルです。
先ほど訪れた赤れんが博物館などが位置する赤れんがパーク一帯へと線路が続いており、今でもその形跡がちらほらと残っています。
戦後は国鉄として利用されましたが1972年に廃線となり、現在では自転車・歩行者専用道路になっています。
内部はライトとちょっとくたびれたれんががいい感じ。こちらはイギリス積みのようです。
イギリス積みとは
煉瓦を長手だけの段、小口だけの段と一段おきに積む方式。(Retrieved from http://fukadasoft2.sakura.ne.jp/renga/bricks/index.html)
地元の方にも親しまれているようでちらほらすれ違いました。中は少しひんやりしてるので心地良かったです。
総括
総移動距離 231km
走るのに心地いい気候でブンブン1号の機嫌も良く、最高の記念日になりました。
帰り際、道の駅で伊根満開という日本酒を買って帰宅後に祝杯をあげました。古代米を使った赤い日本酒なのですがフルーティーなすっきりとした甘さでとても美味しかったです。
そういえばブンブン1号に記念日のプレゼントをあげたいな〜
そろそろETCをつけたい。今度一緒に選びに行こうね。