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アメリカ留学記録1:J1ビザを取得する

私が外出を好きになったのは大学に入学して以降で、それまでは好き嫌い以前にコマンドに「外出」や「旅行」の文字が現れることすらない生活を送っていました。ですので高校の修学旅行でオーストラリアに行ったときは「この先一生海外に行くことはないだろうな」とぼんやり思っていたのを覚えています。

その約10年後、偶然にも、そして幸運にもアメリカ留学のチケットを手に入れました。ありきたりな言葉ですが、人生どうなるかわからないものです。
留学が決まったときは、あの引きこもりが留学なんて、と感慨に浸っていましたが、それはそうとして現実には感慨を吹き飛ばすほどたくさんの手続きが待っていました。

今回はビザ申請をはじめとするアメリカ留学準備のあれこれを書き残しておこうと思います。

ビザ取得のステップは大きく以下の8つです。

1. 留学先の選定

私は所属大学院が協定を結んでいる大学院に行くことになったので、留学先選定のプロセスは経験しませんでした。君、留学枠あるけど、行っちゃう?みたいな感じです。あまりにも恵まれているためこのあたりはロールモデルとしてはほとんど参考にならないと思います。

留学先を決めたら受け入れ先ラボの教授にメールでコンタクトを取り、どれくらいの期間滞在するかや、どんなポストで受け入れてもらうかなどを取り決めていきます。

2. ビザ申請の決定

滞在期間やポストが決まったらビザをどうするか考えます。

アメリカの場合、滞在が3ヶ月未満であればビザは必要なく、渡航直前にESTA(電子渡航認証システム)の認証を受ければOKです。
私は博士課程のVisiting Scholarとして5ヶ月半滞在するのでJ1ビザを取得することにしました。J1ビザとは、主に留学やインターンなど、米国で特定のスキルを身につけるプログラムを受ける人のためのビザで、大学院の交換留学であればほとんどがこのJ1ビザを取得することになります。

ビザ申請は書類準備が煩雑で時間がかかるため、渡航の3ヶ月以上前から取り掛かるのが安心かと思われますが、ズボラ先延ばし癖有の私は2ヶ月~1.5ヶ月前から始めてかろうじて間に合いました。ご参考までに。

3. 必要書類の事前準備

ビザ申請のために事前に揃えるべき書類は大きく3種類です。以下順番に説明します。

3.1 DS-2019

DS-2019は受け入れ先の大学院が準備してくれます。私は向こうのラボボスに「J1ビザがほしいんや」と伝えたところ、International Officeにつないでもらえ、そこの担当者とやりとりしました。もちろん、ただで送ってもらえるわけではありません。まず向こうから送られてくるInvitation Letterの承諾欄にサインし、そこにCV大学院所定の個人経歴フォーム英語のスコアシート(TOEFL iBT)、パスポートの個人情報欄、財務能力証明書(後述)など、必要書類のpdfファイルを添えて送付し、その約10日後にメールでDS-2019が送られてきました。

このように、申請のための書類を準備するための書類、と手続きが何重にもなっている場合があるので、やはりビザ準備は早めにした方がいいです。パスポート取得やTOEFL受験が済んでいない場合はさらに早くから取り掛かりましょう。

3.2 財務能力証明書

預金残高証明書 [英文]

学生であれば本人名義銀行口座の預金残高証明書(英文)を提出します。ここで注意すべきは、正直に申告したのではビザ申請が通らない場合があるという点です。留学中、アメリカで生活する金銭的余裕があるというアピールをすることが重要です。
噂では口座に300-500万円程度入っていた方がいいと聞きました。大使館から明確に必要金額が提示されているわけではなく、留学期間や場所によってラインが異なるらしいです。足りているか不安な場合は親族を頼るなど、法的、倫理的にセーフな範囲であらゆる手段を尽くして一時的にでもお金を集めましょう。残高証明書を発行し次第、返せばいいわけですので。

英文残高証明書は、ゆうちょ銀行の場合、郵便局窓口に①通帳印鑑(銀行に登録したもの)③本人確認書類(免許証など)を持っていくと、④発行のための記入書類を渡されるので、住所や名前などを書き、あとはその場で発行されるのを待つだけです。

私は使いませんでしたが、念のため2部 (受け入れ先大学院に送る用と領事館に提出する用) もらった方がいいかもしれません。混み具合にもよりますがトータルで30分程度で終わります。

これで財務能力証明は十分なのですが、それでも不安に思われる方は、奨学金の貸与証明書と、向こうの大学院からお金をもらう場合、その金額が書かれた書類(私の場合はInvitation Letter)も準備しましょう。

領事館に申告するお金は多ければ多いほど安心です。

奨学金の貸与(給付)証明書 [英文]

私はJASSOの第一種、第二種奨学金を借りているのでその英文証明書を添付することにしました。JASSOのマイページから証明書の申請が可能です。私はお盆前に申請して、8月末ごろ郵送で自宅に届きました。2-3週間ほどかかるようです。

Invitation Letter

私は受け入れ先の大学院から生活補助として多少お金をもらうことになっていました。その旨と金額がInvitation Letterに書いてあったのでそれを印刷して申請時に提出しました。

3.3 写真

ビザ申請用の写真は51mm×51mm白背景でなければなりません。一般的な証明写真機のデフォルトモードで撮影すると青背景になってしまうため、注意が必要です。もし背景やサイズに失敗してしまったらにFreeDPEを使いましょう。どんな写真でも白背景にしてくれ、サイズも自由に調整でき、コンビニのマルチコピー機でいつでも印刷可能です。念のため2-3枚くらい刷って持っておくといいと思います。

3.4 SEVIS(I-901)の支払いとその領収書

SEVISとは、2001年の同時多発テロ以降に作られた学生ビザで入国する留学生を管理するオンラインシステムです。システムの管理費をビザ申請者が負担することになっています。I-901 Feeサイトの[PAY I-901 FEE]ボタンから申請をしましょう。

SEVISにはDS-2019に記されているSEVIS IDを入力する必要があるため、DS-2019が届いてから、手元に用意した状態で申請しましょう。これに加え、名前や生年月日、住所等基本的な個人情報を入力し、最後にクレジットカードで220ドル(約33,000円)を支払います。高いですがマストなので舌打ちしながら支払いましょう。

支払いが終わると領収書を確認できる画面が出るのでそこからpdfファイルを保存し、印刷しておきます。

4. ビザ申請フォーム(DS-160)入力

ようやくビザの申請です。コイツが一番発狂しました。

DS-160はこちらのサイトからオンラインで申請するのですが、とにかく時間がかかります。そして時間がかかるくせにタイムアウトの間隔が短い。そしてようやく最後までたどり着いたと思ったら合計入力時間がかかりすぎる(75分以上)と申請ボタンが押せなくなってしまう (これはなぜか発生する人としない人がいるようですが、私は発生しました、発狂)。公式では1-2時間かかるとアナウンスされていますが、冗談抜きにDS-160入力のための日を半日から1日設けた方がいいです。

早急に終わらせたくば手元にDS-2019パスポートを準備し、変なプライドを持たずにChromeの翻訳をガンガン使うことを推奨します。入力フォームはだいたい10ページほどあったはずです。入力内容についてはめんどくさいので割愛しますが一個だけ印象的だったのは個人のHPやSNSアカウントを持っている場合、入力する必要があるという点。何も書かないのも変だよなあと思い、インスタ、FB、Twitterの公開アカウントをそれぞれ書いておきました。

その他の詳細は大使館公式YouTube「のりこ留学物語」参照。わかりやすくて参考になります。

入力がすべて終わるとDS-160確認フォームが表示されるので印刷します。

5. ビザ面接予約

DS-160の申請が終わったらようやくビザ面接の予約です。ビザ面接は東京、大阪、札幌、福岡、那覇のいずれかで受けることができ、オンラインページから予約できます。領事館の滞在時間大阪の場合、45分から1時間程度を見積もるといいと思います。Jビザ面接の予約は運が良ければ最短で翌日から予約できると思います。私は5日後に取れました。ビザの待ち時間はHPから都市名を入力すると調べることができます。ただし、出国が迫り、緊急で面接を受ける必要がある場合は緊急予約も可能です。

予約が完了したら面接予約確認ページが出るので印刷しておきます。

面接の予約をしたらビザ申請料金の支払い (SEVISとは別物) と、ビザの受け取り方法選択 (所定の場所で受け取るか、郵送か) を行います。ビザ申請費は185ドル (約27,750円)、郵送費用は3,410円。爆竹のような舌打ちを鳴らしながら支払いましょう。
また、ビザ申請費の領収書をpdfで保存し、印刷しておきます。

6. 面接当日までの準備

ビザ取得まであと一歩。しかし「領事館でビザ面接」と言われるとなんだかソワソワしてしまいます。忘れ物をしたり申請が却下されたりすると再度予約を取るのが大変なので前日にはしっかり準備をしておきましょう。

6.1 面接の持ち物

面接に必要な持ち物は以下の通りです。

面接予約確認書
DS-160確認ページ
③ 滞在期間+6ヶ月以上有効期間のあるパスポート
写真1枚
ビザ申請料金支払領収書
SEVIS料金支払領収書
DS-2019
⑧ 財務能力証明書(預金残高証明書[英文]奨学金貸与証明書[英文]など)
⑨ (任意)プログラム後帰国の意思を示す書類

これらを1つのクリアファイルにまとめておきます。ファイルに入れる書類の順番は大使館HPで確認できます。

9の、プログラム後の帰国の意思を示す書類とは、アメリカに移住する意思がないことをアピールするために日本での仕事や経済関係、あるいは家族との結びつきを示すものがあった方がいいということで、私は帰国直後から働き始める会社の面接合格メールのスクショに英訳を添え、「春から働くので絶対帰ってきます」と英語で一言書いておきました。

また、面接当日は必要書類以外のものを持って行くことは推奨されていません。ビザ面接には持ち込み禁止品が厳しく定められており、PC等の電子機器(スマホを除く)、食べ物煙草刃物などはNGです。当日、面接に必要なもの以外は近くのコインロッカーなどに預けておきましょう。

6.2 面接の受け答えの準備

面接は3-5分程度、英語で行われることが多いそうです。そしてまれに申請が却下されるのだとか。という不安をあおってビザ準備コンサルがあれこれビジネスをやっていますが、しかし大学院の交換留学であれば、上記の準備を整えて、正確に情報を入力し、変な経歴を持っていない限りほとんど落ちることはないでしょう。日本という国の信用度の高さの賜物であるのと同時に、アメリカでは研究者、ドクター持ち、あるいはその卵というポジションが想像以上に強い力を持っているようです。

とはいえ、英語に慣れていない状態で何も準備せずに行くのはさすがに不安。私は聞かれるであろう質問とその答えを事前に準備し、暗記しておきました。大使館公式YouTubeいわく、質問項目は「学習目的」「研修計画」「費用」の大きく3点です。以下のような質問にスムーズに答えられるよう回答を考えておくと良いと思います。

【学習目的】
・What are you going to study?
・What is your topic or major?
【研修計画】
・Where are you going? / Which school are you going to?
・How long are you staying there?
【費用】
・Who will pay for it? / How are you going to pay for it?

7. 領事館での面接

面接当日の流れは以下のような感じでした。

①集合(10:10)

予約時間の15分前から15分後までの間に到着すればよいです。私は5分前くらいに着きました。こういうときだけ時間を守れる。到着が少し早かったので予約時間が来るまでは外で待っておくよう言われました。ちなみに領事館の写真を撮るためにスマホを構えると警察がすっ飛んできますので注意しましょう。

②入館(10:15)

面接予約時間が来ると、予約者 (一枠につき5組程度) を順番に入館させてくれます。この時、持ち込み禁止品を携帯していないか口頭で確認されます。

③セキュリティチェック・受付(10:20)

空港でやる感じの保安検査を領事館1階で受けます。スマホ等の電子機器類を籠に出し、身につけている金属類を外し、探知機を通り過ぎて何事もなければOK。ちなみに持ち込み禁止品を持っているとここでつっかかってしまいます。

その後、受付にて窓口の案内を受けます。領事館内は床に誘導ラインが引かれているのでそれに沿って歩けば問題ないです。

④書類提出・指紋採取(10:25)

フロアを移動し、窓口で必要書類を提出し、指紋を採取されます。この時点ではまだ職員さんは日本人です。この時に滞在中の費用をどう賄うか聞かれ、「貯金と、JASSOの奨学金と、受け入れ先大学院からの生活補助がある」と答えました。それ以上は特に突っ込まれることなく、さらにフロアを移動して面接に進むよう言われます。

⑤面接(10:55)

面接はだいたい前に20組くらい並んでおり、30分ほど待つ必要がありました。私が行ったときは窓口が2つ開いており、どちらもにこやかで優しそうなアメリカ人の女性面接官が英語と日本語混じりに面接をしていました。

いざ私の番になり、窓口に進むと、ガッツリ日本語で「どうして留学するのですか?」と聞かれたので以降全部日本語で答えました。といっても質問は「どうして留学するか」と「誰が費用を払うか」の2つだけで、あとは「(受け入れ先の)カリフォルニアは良い場所ですよ!たくさん楽しんで!承認です」と言われてそのまま終了。3分どころか2分くらいで終わり、領事館の建物を11:00ごろに出ることができました。

事前に恐れていたほど多くは聞かれず、しかも日本語で、スムーズに終わりました。

8. ビザ送付

面接から3、4日後にビザ付きのパスポートが届きました。ビザはパスポートの査証欄にシールでペタッと張られています。ここまでの苦労を思い出しながら誇らしげに掲げ、眺めましょう。この時、面接時に提出したDS-2019などの書類も一緒に返ってきますが、これらは渡米の際、入国審査で使われるので大切にとっておきます。

9. その他 ビザ取得以外にやるべきこと・注意する点

9.1 保険

保険はマストです。特にJ1ビザの場合は受け入れ先から提示される条件を満たした保険に入っておく必要があります。大学によって条件が異なると思いますのでInternational Officeに確認をしておきましょう。

9.2 クレジットカードの作成

クレカを複数持ちしていない人はビザ申請前、あるいは申請中にクレカをもう1枚作っておいた方がいいです。ビザ申請にかかる諸々の費用はすべてクレジットカード払いになります。これだけでも7万前後は飛んでいくのですが、これに加えて往復の航空機代(20万以上)や保険料(5万前後)を1枚のクレカで支払っていたら一気に限度額まで到達する可能性があります。そうすると渡米後一時的にクレカが使えない、もしくは航空機代や保険料が支払えないなんてことになりかねません。事前に現金をある程度持っていくにしてもアメリカでクレカを使えないのは致命傷だと思いますのでクレカ複数持ちを推奨します。

まとめ

以上、発狂!ビザ取得までの道のりでした。

J1ビザ取得経験者が身近におらず、いろいろと手探りで不安でしたが案外なんとかなりました。入念に調べて丁寧にプロセスを踏んでいけば落とされることはないと思いますので安心して申請しましょう。